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第10話 「絶対来て」は、ちょっと反則だ

last update publish date: 2026-09-22 15:26:12

第10話 「絶対来て」は、ちょっと反則だ

 夏目陽菜から記録会の日程が送られてきたのは、その日の夜九時過ぎだった。

『五月十六日、土曜日。青葉市陸上競技場。十時半くらいから!』

 その下に地図。

 さらに、

『忘れないでね』

 と続く。

 俺はベッドの上でスマートフォンを見ながら、少し考えた。

 五月十六日。

 特に予定はない。

 アルバイトを始めているわけでもなければ、サークル活動もしていない。土曜日なので講義もない。

 つまり行こうと思えば普通に行ける。

 ただ、その事実を素直に伝えるのはなぜか少し悔しかった。

『予定確認しとく』

 そう返した。

 すぐに既読がつく。

『今確認して』

『何で』

『忘れそうだから』

『俺が?』

『うん』

『人を信用しろ』

『じゃあ来る?』

 逃げ道を塞いでくる。

『予定がなければ』

『予定あるの?』

『今のところない』

『じゃあ来るじゃん』

『未来は分からないだろ』

『急に壮大な話にしないで』

 俺は少し笑った。

 その直後、さらにメッセージ。

『絶対来て』

 指が止まった。

 さっきまでの軽いやり取りと同じ文字数なのに、その一文だけ妙に強く見える
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